2011年01月18日

まえがきに代えて


友人から会社を作ると連絡があった。大手テーマパークから大口の仕事が入りそうで、法人化することにしたらしい。スタッフも雇うという。大丈夫かしら。

後日会うと、登記の手続きでてんてこ舞いしていた。開業の指南書を読んでいるけど、専門用語が多くて頭に入らないと笑っている。「アーチスト」が長かったから無理もないだろう。

余計なお世話かと思ったが、

●売上と利益のしくみ
●売上と原価、粗利、経費
●固定費と変動費、損益分岐点

などなど、ラーメン屋を例に、図や表を書きながら、大まかな説明をした。これくらいは知っておいてほしいですからね。

それからおよそ一年後、久しぶりに近況を聞くと、やはり左前でなかなか大変らしい。諸々あって、より踏み込んで協力をすることになった。

「月にいくら売ればトントンになるか知ってる?」「大体は頭の中に入ってます」

「スタッフは?」「知りません」

「スタッフは毎月の売上を知ってる?」「……」

「毎月営業の会議は開いてる?」「……」

そうですか。そうだな、もうすぐ2期目だから、来期の事業計画を練ることから始めましょうか。事業計画書のある会社は、全体のわずか5%に過ぎない。
posted by hiro at 20:21| Comment(0) | マニフェスト | 更新情報をチェックする

2011年02月02日

01 現状認識


会社の現状から聞かせて下さい。他者に話すことで、より理解が深まることがあります。同じく他者から質問や指摘をされることで、新たな理解や発見につながることもあります。

自社の現状を正しく認識し、その情報をスタッフの皆で共有しましょう。スタッフの問題意識が高まり、多くのアイデアが聞こえるようになるでしょう。

では手始めに、以下について、じっくりと思いを馳せてみて下さい。

1.自社の理念(ミッション)は
●何に貢献する会社か
●どんな価値を提供するか

2.自社の目標(ビジョン)は
●どんな事業を展開し、どんな成果を上げるか
●今から5年後のあるべき姿は

3.内部の経営資源のうち、
3.1.自社が持つ強みは
3.2.自社が持つ弱みは

4.外部の経営環境と照らして、
4.1.成長機会となりうるプラス面は
4.2.衰退脅威となりうるマイナス面は

1.と2.については、社長が熟慮を重ね、成文化にこぎつけました。

3.と4.については、スタッフ全員でブレーンストーミングを行い、列挙しました。強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字から「SWOT分析」と呼ばれるものです。

なるほど我が社にも、他社にはない良さ、恵まれた環境、隠れた才能などなど、「メシのタネ」も少なくない。ただせっかくのそれらが十分に活かし切れていない。あるいは活かすための仕事ができていない。

時代の風は確かに吹いている。一方で価格破壊や陳腐化が進み、新しさや差別化などのアピールに欠けている。

やるべき事柄が徐々に見え始めてきました。
posted by hiro at 18:47| Comment(0) | マニフェスト | 更新情報をチェックする

2011年02月09日

02 事業計画の構造


地図とコンパスを持たない山登りが、どれだけ無謀であるか、登る人たちを疲弊させるかは想像に難くありません。

社長だけが分かっていてもダメ。登る人(スタッフ)全員が、目標とクリアすべき課題に通じている必要があります。

事業計画の構造は、次の六つが体系化されていることが望まれます。

(1)理念(ミッション)
(2)目標(ビジョン)
(3)政策(マニフェスト)
(4)戦略
(5)計画
(6)実行

前項で、(1)理念(ミッション)と(2)目標(ビジョン)は社長から示されました。ビジョンを基に、5カ年の大まかな計画も定まりました。

(3)の政策(マニフェスト)。マニフェストは何も政治だけのものではありません。

マニフェストは、ミッションやビジョンの実現に向け、具体的な方針や方法論を示すもので、特に、
●どこの(商圏)、誰に(顧客)
●何を(商品)
●いくらで(価格)
売るかを明らかにするものです。

事業計画の肝、と言っても良いでしょう。政策のない理念が実現することはあり得ません。理念のない政策もまた然りです。マニフェストについては、第2章で詳しく述べます。

マニフェストに基づいて、各分野ごと(例として市場・商品・価格・チャネル・プロモーションなど)に(4)の戦略が構築されます。このうちのプロモーション(販売促進)戦略については、第3章で詳しく述べます。

(1)から(4)へのブレークダウンの後、ようやく(5)の計画がなされます。月や週の売上や利益などの「計画」とは、本来こうした背景を有したものなのです。
posted by hiro at 19:51| Comment(0) | マニフェスト | 更新情報をチェックする

2011年02月16日

03 奇襲を仕掛ける


我が社は中小零細企業です。大手とがっぷり四つに組んで勝てるはずもありません。けたぐり、引っ掛け、猫だまし。奇襲に頼るより他はないのです。

経営における奇襲とは何か。奇襲を仕掛けるために必要な要素とは。

まずは戦う相手を選ぶことです。

今の力相応に一番になれる
(1)場所(商圏)
(2)人(顧客)
(3)物(商品)
を探すことから始めましょう。このプロセスがマニフェスト作りにもつながります。

限られた分野で一番を目指すには。

●強みをさらに強くする【特化】
●マーケットやエリアを絞り込む【局地戦】

先のSWOT分析をもとに、自社の強みを活かして、成長の機会を取り込む。そのために管理するマーケットを思い切って小さくする。「小さな」「スキ間」を見つける。

さらには、「これだけは他に負けない」という特徴づけが欠かせません。「選択」「集中」「独自化」を唱えましょう。

●優先順位をつけ、見切りをつける(捨てるものを決める)【選択】
●経営資源の配分にメリハリをつける【集中】
●他社が真似できないビジネスを行う【独自化】

日々の業務の中で生産性に乏しいものは思い切って止めてしまう。より見込みのあるものに人や金、その他を注ぎ込む。オンリーワンの商品やサービスともなれば、まさに敵なしです。

我が社は「角界」で横綱や大関になることを目指しているのではありません。ここは「町の相撲大会」で優勝することに意識を向けましょう。
posted by hiro at 23:19| Comment(0) | マニフェスト | 更新情報をチェックする